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フィリピンでバナナの段ボールを探す旅


Feb.25th
2017

Writen & Photo By
Fuyuki Shimazu

前記事の愛媛みかんと段ボールの関係の様に 「産地」があればその段ボールが必ずあります。 町やスーパーを見てても日本全国の 産地がかかれた段ボールを見ることが出来るでしょう。もちろん国内だけでなく、外国産のものもあります。 代表的な例は「バナナ」です。

外国産バナナの段ボールは可愛い

現在日本には大きくエクアドルやペルーなどの中南米産のバナナと、フィリピン産のバナナの二種類が流通しています。 この輸入バナナの段ボールはとにかくグラフィックがかわいいのが特徴です。 しっかりとしたボール箱に2〜3色くらいの色で かわいいイラストが描かれてかれています。

フィリピンはバナナ段ボールの天国かもしれない

フィリピンはバナナ発祥の地の一つといわれています。日本でもフィリピンと聞いて思い浮かべるのはバナナではないでしょうか。バナナがたくさんあるという事は、それだけ沢山のバナナの段ボールがあるということ。そこでそんな魅力的なバナナの段ボールをフィリピンに行って好きなだけ拾ってこようと思い2016年8月、段ボールを拾いにいきました。

マニラ / Manira

8月のマニラは蒸し暑く、10分も歩けば汗塗れになってしまいます。

ピラミッドとオレンジという異様な組み合わせです。ちゃんと"PRODUCT OF EGYPT"の文字が入っています。エジプトでオレンジを作っているとは驚きでした。

フィリピンの段ボール事情

日本のように段ボールを外に出しておけば回収されるというようなシステムは確立されていないため、他のアジア新興国や途上国同様、段ボールのリサイクル率はさほど高くはありません。そのため町の至る所にジャンクショップと呼ばれる回収屋さんがいます。ここに段ボールを持っていけばお金に換金できます。1キロ4ペソ(10円)とのこと。段ボール1キロを集めるのは結構大変なので、その対価としては安い気がします。

ジャンクショップは街の至る所にある。計りが置いてあって、何グラムかを確認し、換金する。

段ボールは買うものであって、貴重な資源であることが、この写真からもわかります。特にバナナに使うような硬くて丈夫な段ボールは人気があるようです。

バナナはどこか

さて、本題に戻るのですが、 探しても探してもバナナの段ボールにはありつけません。 それどころかバナナもあまり見かけないのです。 あるのは中国産のりんごや、オレンジばかり。 マニラ市内にあるマーケット中を周まりましたが、収穫はゼロ。マニラ市内を3日間駆け回り捜索しましたが、残念ながら見つけることは出来せませんでした。

マニラ市内で見かけるフルーツの段ボール多くは中国産や韓国産だ。写真は中国産のりんごの段ボール。FUJIと書いてあるので日本の品種「ふじリンゴ」のことだろうか。

バナナの産地ダバオへ

しかしここで諦めるわけには行きません。 調べると、フィリピン国内でもバナナの生産の殆どは 南部の島ミンダナオ島ダパオ周辺だと書いてありました。そこで早速飛行機でミンダナオ島のダバオへ向かいました。

ダバオ / Davao

バナナの産地ダバオへ

マニラより南とあって、熱さは増している気がしますが、 湿気は少なく過ごしやすかったでっす。空港に着くと早速バナナの段ボールが飛行機に積まれていました。これは期待できます。

最も食材があつまる場所=段ボールの集まる場所です。 ダバオでもマニラ同様、マーケットを転々としました。 さすがに産地とあってどこのマーケットに行っても、 バナナがたくさん売っています。しかし肝心の段ボールがありません。

バナナ以上に見かけるのは、このDAVAO FRUITと書かれた"POMELO"という果物。グレープフルーツのような味でした。お土産として人気のようで、専用の段ボールがたくさん並んでいました。私は段ボールだけ購入しました。

ダバオの人たちはとても明るく、カメラを向けると必ず笑顔を向けてくれます。帰りの日、早朝のマーケットに再トライ。そこでようやく、今回の旅のゴールである バナナの段ボールを辛うじて手に入れることが出来ました。

遂にバナナの段ボールを手に入れる?

フィリピンに来て6日目、ようやくバナナの段ボールを貰うことが出来ました。快くくれたのはこの写真のおじさんです。デザインもなかなか日本では見かけないものだったので嬉しかったのですが、

その段ボールを持つ手にやたらアリがよじ登ってきます。 よく見ると段ボールはアリだらけ!さらに段の隙間の中はアリのコロニーのようで、 叩いても叩いてもアリが…卵をもったアリなんかもでてきました。 とてもショッキングな光景で、残念ながら段ボールを手放すしかありませんでした。
その後、バナナのプランテーションに行けばもらえるのではないか、と思いダバオにあるドールの事務局で交渉しましたが、 残念ながら案内することは出来ないと 断られてしまいました。

この旅で分かったこと

結局、10日間のフィリピン滞在中、一度もバナナの段ボールを拾うことなく日本に帰ることになりました。この出来事の背景には以下のことがあるのではないかと考えます。

フィリピン国内のバナナの流通方法

決定的な事実としては、フィリピン国内の流通に段ボールを使わない、ということです。使用するのは写真のような麻袋。こっちのほうが多く積めるし、何度も使えるし、コンパクト。段ボールよりかは遥かに効率のいい運送方法と言えます。

そして日本国内で見るようなバナナの段ボールは輸出用の段ボールなのです。だからフィリピンに行けば逆に手に入らないというわけだったのです。

フィリピン=バナナという誤解

そんな誤解も今回気付かされた一つです。日本に輸入されるバナナの8割はフィリピン産。だから店頭に並ぶバナナもほぼフィリピン産。フィリピンバナナを食べて育ってきたからそのようなイメージが自分の中で植え付けられたのだと思います。しかし思ったほどバナナだらけではありませんでした。また売られているバナナも小さく、見た目も味も少し違いました。あの長くて甘いバナナはやはり輸出が主なようです。ちなみに世界の統計からみると輸出量は、1位アメリカ 2位ベルギー 3位コスタリカとなっています。フィリピンは7位でした。(WTExサイト参照)

プランテーション(農地)が生活圏とかけ離れている

日本の様に生活圏の中に農地があるのではなく遠く離れている、というのもバナナ段ボールが手に入らない一つの要因かもしれません。産地であるダバオの場合、市街地からプランテーションまで来るまで5時間以上、また公共交通もバスはあるけど不定期、乗り継ぎが必要、さらにイスラム過激組織との戦闘もある地域とあって心が折れてしまったのですが、それだけ離れていれば農地から段ボールのおこぼれが流通することはないでしょう。

まとめ

産地に行けば、そこの段ボールがあるのは確かです。しかし国の都合や流通の事情によって手に入るか入らないかは変わってくるということです。それでも何個か見つけられましたが、圧倒的に少なかったです。日本にいたほうが拾えるなんて、行く前はまったく予想しない展開でしたが、行ったから見えてくる事もたくさんあって収穫のある旅になりました。